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2011年1月11日 (火)

ぶちまけられた小豆

大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」第1話を、見終わりました。

見た感想を一言で表すと、「期待通り」。

「脚本家が『篤姫』の人だからな~」で“期待してない状態”での、期待通りです(^^;

あと、一昨日に書いた所でも期待通りですね。萬福丸ぅ・・・・(遠い目)


1話は、まだ“種まき”の状態。この段階で「今年は不作だなー」と言うには早過ぎ。

ですけど、まかれた種を見て「自分の好きな作物は少なそうだなー」という感じが否めないなーというのが率直なところ。

『MUSASHI』『義経』『篤姫』の時のような、「おまえに魅せるシーンはねーよ?」と言いたげなメッセージが、ひしひしと感じられました。

ああ、およびでないですか。これまた失礼いたしました・・・・。


C・W・ニコル氏曰く。

「褒める時は、2つけなして1つ褒めやがれ」

これに倣いまして、「けなす:褒める=2:1(当社比)」で感想を書いてみたいと思います。

辛口めにやりますので、「第1話すごい面白かったw」という人は、気分を害されませんよう、ご判断くださいね。


というわけで、土曜日の再放送を見る方のために、役に立たない見所ピックアップを兼ねて、ドウゾ。


■見所その1:浅井長政とお市の「学園ラブストーリー」

「三姉妹の顔見世」的な安土城のシーンから時をさかのぼり、お市サマ輿入れのシーン。

兄・信長と接見し、「戦に行くつもりで臨みます」と宣言。
政略結婚であることを理解し、その上で自分の役目を果たすという覚悟を見せます。

実際、政略結婚ってそういう面がありましたからね。
このあたりまでは、とてもいいかんじw


「浅井長政?どんな男かは知らないけど、私が懐柔してみせるわ」とばかりに、意気揚々と近江の国へ嫁いでいくお市サマ。
駕籠が着いたばかりの所へ、その長政サマがひょいと顔を出します。一城の主なのに、なんというフットワークの軽さ。

「婚礼前の花嫁を見るなんて、無礼千万!はしたない!」と激怒する女中を無視して、お市を“強引に”連れ出し。
琵琶湖湖畔に案内すると、「いい眺めだろう?」と、“屈託のない笑顔で”ささやきます。

完全に意表を突かれたお市サマ。このままではいけません。
戸惑いながらも「1つだけ、あなたにお願いしておくわ」と切り出し、「私にはウソを言わないでね。ウソついたら許さないから!」と強気に要求を突きつけて、主導権を奪い返そうとします。

が、長政サマの方が1枚上手。
「承知した。では、私からも1つだけお願いしたい」
「な、何よ・・・・」
「この近江の土地と民を、愛して欲しい」
「・・・・!?」

どんな無理難題かと身を構えてみたら、飛び出したのは“さわやかプロポーズ”。お市サマ、これで完全にノックアウトです。


これって、つまりはこういうことですか?

新学期の校門で、警戒していた男子に「授業なんてフケちまおーぜw」と“強引に”連れ出され。

「ちょっと!なんでアンタなんかと外へ行かなきゃいけないよの!」と言えども叫べども軽くいなされ、眺めのいい秘密の場所に案内されて「ここ、俺のお気に入りの場所なんだ」と、“屈託のない笑顔で”披露。

「(コイツ、こんな可愛い顔もするんだ・・・・?)」と思っているところに、「おまえにも、ここを好きになって欲しくてさ」と、“さわやかプロポーズ”でトドメ。完全KO。

まるで、学園少女漫画の黄金パターン(^^;

嫌いじゃないけどー。嫌いじゃないけどー。嫌いじゃないけどー。

あまりにも「その層」を狙い澄ましている意図が見え見えで、同人誌みたい。あんぐり口を開けたまま見届けてしまいました(笑)


■見所その2:お江の誕生秘話

夫(長政)が兄(信長)を裏切って3年。ついに、居城・小谷城は兄の軍勢に囲まれてしまいます。もはや存亡の危機。

お市は赤子を身ごもっていましたが、こんな状況では産めないと、堕ろす決意をします。

そこに、長女・茶々が妹を連れて登場。短刀を突きつけて、「おなかのややを殺すなら、初を殺してわたしも死にまする!」と、涙の直訴。

「母さんが悪かったわ!許して!」と、お市は心を打たれ、こうして主人公・お江はこの世に誕生したのでした。


姉の必死の懇願で生まれた妹。それなのに2人は後世「関ヶ原」や「大坂の陣」で敵・味方に分かれてしまうわけで、その悲劇を盛り立てる布石的な象徴シーンなんでしょうが、


や り す ぎ 。


茶々はお江より6つ年上=この時6歳です。

6歳の女の子が「赤ちゃん殺すんなら、妹を殺してわたしも死ぬ!」とか、ないわ。

「わたしが育てるから!可愛がるから!お手伝いもするから!お願い産んで!」って、だだっこパンチで泣きながら懇願するくらいが、ちょうどいいです。
お市だって本心は産みたいし、流産させることに引け目を感じていたわけですからね。

もしかしたら茶々(後の淀殿)の気性の激しさを印象付けたかったのかもしれませんが、それでも演出過剰だなと思いました。

学校教材のCMでお馴染みな子役の娘の見せ場だっただけに、残念ですなぁ。

(この後、赤子の泣き声が、城を包囲する兵士や秀吉の元まで届いていました。そしてほんわか。何この奇跡・・・・イエス・キ○ストでも生まれたのかと思いましたよ)


■見所その3:小豆の袋ぶちまけ

「その2」と話が前後しますが、ワタクシ的に今回の第1話で、もっとも象徴的なシーンだと思ったので、最後にご紹介。

歴史話的には有名な「“袋のネズミ”の小豆の袋」のシーン。

軽く紹介すると、

お市の輿入れで結ばれた浅井・織田同盟は、信長の朝倉家侵攻で危機を迎えます。

何故、信長は朝倉家へ攻め入ったのか?については、通説から新説まで諸々あって長くなるので割愛しますが(笑)、ともあれ朝倉家とも同盟を結んでいた浅井家は、「朝倉か?織田か?」の二者択一をせまられました。

結局は、父・久政の助言を入れて朝倉側につき、織田家との同盟は破棄することに。織田が朝倉と対峙している金ヶ崎へ、軍を仕向けることになります。

織田軍に危機迫る!この話を知ったお市は、夫か?兄か?の板ばさみになりますが、兄に危機を知らせることを決意。「小豆を入れて両端を紐で縛った袋」を、陣中見舞いと称して信長の元に贈りました。

これを見た信長は、この奇妙な袋の状態を見て即座に「袋のネズミ(浅井が裏切る)」と察知。全軍撤退を号令し、被害を出しつつも間一髪で危機から逃れることができたのでした・・・・という話。


ところが、ドラマでは女中が「信長にピンチを知らせねば!」と持ってきた小豆袋を、お市が撥ね退けて、廊下に小豆がぶちまかれる、という話になっていました。

・・・・・・・・なんでそうなるの?(溜め息)

一応言っておきますが、これをもって「史実を改竄した!」と言うつもりはありません(史実かどうかあやしい話ですし)

ただ、小豆が廊下に散乱する音を聞いて、「ああ、使命よりも夫への愛が勝ったのね」と、ノーテンキに感動することは、ワタクシにはできませんでした。

これ、この女性作家特有の価値観なんじゃない?「政略結婚」なんてものは、愛の力があればチャラにできるんだという、『篤姫』でも主張していたメッセージを、強烈に感じましたけど。

政略結婚は、本人の望まない場合が多かったでしょう。「自由・平等・博愛」を標榜する現代思想からしたら、「悪」でしかないのかもしれません。

でも、その当時の人にとっては、これが生きる道だったし、必死で己の使命に生きたんじゃないですか。そのために死んでも構わないという覚悟で臨んでいたんじゃないですか。

ワタクシはそう解釈しているので、ドラマ冒頭の「戦に行くつもりで輿入れに臨む」というお市の覚悟が、いいかんじだと思ったのに・・・・。

「よく知られている話を勝手に変えるな」と言ってるんじゃないです。そういうのは、歓迎する気持ちもありますから。

ただ「よく知られた話をオリジナルに変えてまで、脚本家がやりたかったこと、伝えたかったことって何なの?」ということです。

有名な「“袋のネズミ”の小豆袋」の話を、ものの見事にもみくしゃにされた挙句に、優男の長政サマに骨抜きにされたお市を見せられて、それで「ドラマとして楽しめ」と言われている状態ですよ。
これ何を伝えたかったんですかね?何をしたかったんですかね?脚本家からのイヤガラセですかね?


このシーンが、自分が「今年はおよびでないよ」と言われているような気がする、とても象徴的な場面だったなと思ったので、最後に紹介してみました。

「最後に愛は勝つ(使命にも勝つ)」なんて、そんな現代的なテーマは、大河ドラマじゃなくて現代ドラマでやってくれと思います。歴史を舞台装置にするんじゃないと、ホンマに憤りを感じましたね。


と、以上が、期待してなかった状態での期待通りなところ(^^;


最後に褒める・・・・と言うか、やっぱ戦国時代っていいなーと思いますねw

幕末は攘夷だ開国だと右往左往する人間模様が好きなんですけど、戦国は天下泰平を目指す一直線な雰囲気が好き。
なんていうか、開放感が違いますね。幕末が大海原なら、戦国は大空って感じでw

あと、役者がイイネ。信長@トヨエツ、家康@白戸次郎、秀吉@ターちゃんと、天下人の面々も良さげですが、注目はやっぱ足利義昭@宗家でしょうw

徹底されたバカ殿系で実に楽しそうに演じられておりましたが、所作がいちいち綺麗で、全てにおいていいかんじに浮いてました(笑)

ワタクシの中で最高峰の義昭@玉置版には及びませんが、まだ本性を表してない感じがあるので、これからにもまだまだ期待できそうです。

あと、一部で話題沸騰の茶々@芦田愛菜ですかね。

『天地人』の良かったところは「音楽」「人間関係」「子役」だけだったので、それを完全に踏襲する大河ドラマになりそうかなぁという感じがします。
(あまり完全には踏襲して欲しくないところでもありますが・・・・)


散々に書きましたが、今年の大河は“とりあえず”見続けるつもりです。

お江の最初の夫・佐治一成や、「蛍大名」こと京極高次など、普通はあまりピンスポットの当たらない武将たちにも日が当たりそうなので、その登場まではせめて・・・・というのが動機です。

でも、第1話の時点で意に染まないところが多々あったので、日記では容赦なくボロクソに言い続けることになりそうです。

ですが、まぁいいよね。オレのせいじゃないし(笑)

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