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2011年2月22日 (火)

ブンガ!ブンガ!

今日はこちらのニュースから・・・・と言いながら、内容的には(たぶん)まったく無関係の話をやります。

ですので、↓のリンク先のニュースは、読まなくても全然OKです。

伊首相のハーレム・パーティー「ブンガブンガ」、渦中の女性が様子語る 伊紙
http://www.afpbb.com/article/politics/2786258/6838118


1910年2月10日のこと。

イギリス王国艦隊旗艦の戦艦ドレッドノートは、演習のためにドーバー海峡ウェマース沖におりました。

そこに、一通の電報が届きます。

「本日午後2時17分に、アビシニア皇帝ご一行がポートランドに到着する。
至急迎えに行って、ドレッドノートの見学を応対するべし。くれぐれも国賓待遇でよろしく!
外務省からの代表者は、ハーバード・チョオモンドレイだぞ。
from 外務次官 サー・チャールズ・ハーディング」

「は?アビシニアの皇帝!?・・・・って、アビシニアって何処?」
「はっ、エチオピアでございます。提督」
「エチオピア・・・・その地の言葉に精通している者は、わが軍におるか?」
「はっ、現在出張中であります」
「こんな時に・・・・あちらの通訳に頼るしかないな」
「提督・・・・お考えのところ恐縮ですが、少し急がれた方がよろしいかと」

将校に言われて時計を見てみると、なんと現在10時半。

「あと3時間ちょっとしかないではないか!外務省は何をやっとるんだ!」

何せ相手は国賓。遅刻だけは厳禁なのです。怒っても罵っても始まらないので、慌てて準備に取り掛かります。


午後2時17分。特別列車は定刻どおりポートランド駅に到着。

プラットフォームに広げられた真紅のカーペットに、アビシニア皇帝一行が降り立ちました。

皇帝一行は、アビシニア皇帝、侍従が2人、アビシニア王女、通訳、そしてイギリス外務省代表ハーバード・チョオモンドレイの6人。

礼服、式典準備、警備指示などを何とか間に合わせた提督は、来訪を心より歓迎し、一行を栄誉礼で出迎えます。

駅は祝典ムードに包まれました。

「それでは、軍艦の方で宴席を用意しておりますので・・・・」
「提督。アビシニアでは異教徒の食事は食べてはならない決まりになっておりますので」
「おお、そうでしたか。これは失礼いたしました・・・・」

晩餐会はキャンセルされ、先方から希望があったという戦艦ドレッドノートの見学へとご案内。

提督が戦艦についての解説をすると、皇帝は時々、奇妙な叫び声を上げます。

「ブンガ!ブンガ!」

「・・・・おい、皇帝は一体なんとおっしゃってるのだ?」
おそるおそる通訳に聞いてみると、
「あれは、アビシニアの言葉で『すばらしい』という意味です、提督」
「おお、なんだそうだったのか」

ほっと胸を撫で下ろして、さらに力を入れて案内をすると、今度は王女が叫び声をあげます。

「チャック、アチョイ!」

「・・・・おい、彼女は一体なんとおっしゃったのだ?」
「あれは、アビシニアの言葉で『すばらしい』という意味です、提督」
「む?『すばらしい』は、『ブンガ!ブンガ!』ではないのか?」
「あ、えっとですねぇ、女性が言う時は『チャック、アチョイ!』になるのです」
「む、そうなのか・・・・」

ヘンな言語もあるもんだな、と思いながら、戦艦見学は無事に終了。

下船して賓客室に向かうタイミングで、軍楽隊がアビシニア国歌を演奏する・・・・というスケジュールでしたが、ここで大問題が発生。

なんと、軍楽隊の誰一人として、アビシニアの国歌を知らなかったのでした。

「え、知らない!?そんなこと言われても困るぞ、なんとかしろ!」
「しかし、知らないものはどうにもしようが・・・・」
「むむむ・・・・ならば仕方がない。アビシニアに一番近い国の国歌を演奏しろ」

こうして、アフリカの国・ザンジバルの国歌を苦し紛れに演奏。

国際問題に発展してもおかしくない暴挙ですが、皇帝一行は厳粛にそれを聞いています。

演奏が終わると、皇帝は提督にこう切り出しました。

「提督。先ほど見た戦艦を1隻、わが国で購入したいのだが」

皇帝は国歌を間違えて演奏したことを責めなかったばかりか、戦艦の購入を約束してくれたのでした。

(なんと、度量の広い皇帝だ!)

喜びのあまり、提督は思わず言ってしまったそうです。

「ブンガ!ブンガ!(すばらしい)」

皇帝一行は、この日のうちにポートランド駅から帰国の途に着きます。

国賓を無事に送り迎えできたことで、提督ら海軍は安堵の溜め息をついたのでした。


ところが、このアビシニア皇帝のご一行は、実は真っ赤なニセモノ。

ケンブリッジの学生と、将来名を残す作家の若き日の姿でした。

首班は、ホーレス・デ・ヴェレ・コール。名門出身の青年。

この手のイタズラ魔としてはすでに有名で、母校に「ザンジバル君主」を騙って晩餐会に招かれたという「前科」持ち。それをスケールアップして、今度はイギリス海軍をドッキリにかけたのです。

成功の秘訣は、「アビシニアに精通していた唯一の将校が留守の日」と「外務省が電報を打つ方法と打ち出す局」を調べつくしておき、さらに「衣裳や列車、勲章などを、巨額を投じて徹底的に凝る」ことで、初期段階でバレる要素を未然に防いだこと。

この周到なペテンに、海軍は完全にひっかかってしまいました。
エセだったことに気がつかなかったばかりか、ご丁寧にも国賓レベルで歓待し、海軍自慢の戦艦であるドレッドノートに、あっさり侵入を許したのです。

そのネタバレが写真つきで新聞に掲載され、イギリス海軍は面子まるつぶれの大恥をかいてしまったのでした。


・・・・以上が、「ドレッドノート・ホークス(ホウクス)」と呼ばれる事件のあらまし。


で、冒頭のニュース記事。

--------------------------------------------------------
ベルルスコーニは(中略)。そんな男をスキャンダルが襲ったのは昨年。「ブンガブンガ」と呼ばれる“乱交パーティー”で、当時17歳だったモロッコ出身のダンサーとの間に浮上した買春疑惑だ。
--------------------------------------------------------

乱交パーティ名の「ブンガブンガ」って言葉から上記の事件を思い出してしまったので、ネタとして書いてみました(笑)

なんか関係あるんだろうか・・・・?


ちなみに、言うまでもなく上記の事件は実話です。

ウソみたいなホントの話ですな(^^;

wikipediaにも載っているので、詳細なところはこちらを参照にドウゾ。

■偽エチオピア皇帝事件(関連リンク)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%81%BD%E3%82%A8%E3%83%81%E3%82%AA%E3%83%94%E3%82%A2%E7%9A%87%E5%B8%9D%E4%BA%8B%E4%BB%B6


ちなみに、余談で。

イタリアといえば、戦争と政治と女が大好きな、J・A・シーザーの祖国。

その国の首相が、この程度のスキャンダルで政治家を辞めちゃイカンよw

・・・・と、思います(笑)

齢七十を過ぎてこの元気、むしろ「天晴れ」じゃないですか・・・・ねぇ?

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