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2011年3月 4日 (金)

夏の夜の夢路はかなき・・・・

昨日は3月3日、桃の節句。

新潟は久々に雪降りでして、思わず“季節外れの雪が降る3月3日”に起きた「桜田門外の変」を思い出してしまいました。
(ま、降ったといっても、うっすら積もる程度で終わったんですけど。除雪の手間がかからなくてよかった・笑)

それにちなんで、「桜田門外」か「桃(植物)」か、どっちのネタをやろうかなーと迷ったのですが、ちょうど今週の大河を見たので、その感想でも・・・・と、半分くらい打ったところで寝る時間になってやめました(笑)

日が変わりましたが、改めてアップです。


大河ドラマ江・第8話「初めての父」。


母の再婚によって、越前・北ノ庄へと引っ越すことになったお市と3姉妹。

新しい家族の柴田勝家は、織田家の女性たちを前に緊張気味で、無理矢理な笑顔を見せたりハメをはずしたりドジ踏んだりして、だらしがない・・・・3姉妹は父として認められません。

そんな時、お江が馬を奪って城下へプチ家出し、夜になっても帰ってこないという事件が勃発します。

北ノ庄の武将たちは、雨が降る中、お江の探索へと出かけるのでした・・・・という話。


今回は、歴史的な動きはほぼゼロで、放送時間まるまるいっぱいホームドラマが展開されました。

そのせいか、お市が出ているのに、安心して見ることができました(笑)

やっぱ、ホームドラマとしてなら、期待しても大丈夫なんだな・・・・。

お江を叱り付けるシーンは良かったですね。

姫に万が一のことがあったら、下のモノが打ち首になる。下のものに支えられて生きている。それを承知で責任ある行動をせねばならない・・・・ということを、ビンタで教わるお江。

今更になって、そんな基本的なこと・・・・と思ったけど、当時まだ9歳。そこそこ現実的な設定か(苦笑)


気になったのは、いかにも高貴そうな女性が馬に乗って駆けてきたのに、農民に気にした様子がなかったことですかね。

道に出て土下座しなきゃダメとは言わないけど、普通は蹄の音が聞こえたら注意を向けるでしょ・・・・。

他にも、次回予告で「戦争しないって言ったじゃない!」とお江がワガママをしてたところも。

まぁ、その戦いで勝家は負けてしまうのですから、これは演出的に許容範囲でしょうかねぇ・・・・。


ともあれ、“無理矢理な笑顔”と“だらしのない所”が痛々しくても、妻と娘にプレゼント攻撃しているのを思わず「・・・・通販マニア?」とツッコミしかかっても、それでも、ここまで勝家にスポットライトを当ててくれたのは、戦国時代好きとしては嬉しい限りなのでした。


ところで、最後のシーンで、秀吉が「お屋形様の葬式をやる」「勝家は呼ばなければ良い」と言っておりました。

「京都・大徳寺」で行われた織田信長の法要は、天正10年(1582)10月15日。

ということは、この頃は9月あたりでしょうか。

越前は、これから雪に閉ざされる冬になっていくところ。

そういえば、勝家や佐久間盛政らも冬支度で忙しそうでした。

この新婚ホヤホヤの家族が、再び冬支度に追われることは、ついになかったんですよね・・・・。


柴田勝家が羽柴秀吉に負けてしまった敗因を、一言で表すならば、

「領地が雪国だったから」

これに尽きるでしょう。

当時の勝家の支配圏は、福井県~富山県にいたる、北陸の豪雪地帯。

冬の間は積雪に見舞われて、身動きができなくなってしまいます。

ワタクシも積雪地帯・新潟で生活してますけど、すさまじい馬力を出せる除雪車があるからこそ、ようやく身動きが取れる状態なんです。

人力で豪雪地帯を突破するなんて、無理も無理だったでしょうねー。

「冬になったら出てこれない」。これは誰もが知っていることなので、敵は冬になったらやりたい放題。

越前に領地を持つものは、この戦略的ハンデを背負わなければならない宿命にあるのでした。


柴田勝家も、そこは重々承知。

よって、“清洲会議”で「雪が積もらない南の地域をなるべく確保して、非積雪地帯に陣取る秀吉に対して戦略的挽回を狙う」。これが負けないための条件となります。

しかし、勝家がゲットできたのは「長浜城」だけ。

長浜城は、琵琶湖の東湖岸にある交通の要衝で、ここを抑えるのは戦略的にかなり得策。

でも、長浜城から越前の間をむすぶ一帯は、東北地方にも匹敵する豪雪地帯なので、冬の間は連絡線も補給線も引けません。

いわば、飛び地のような場所。ここを本拠にしたくても、危険過ぎてできません。

「ならば、次の作戦。秀吉包囲網の構築を急ぐしかあるまい・・・・」

と、長浜城は柴田勝豊(甥で養子)に任せて、自分は外交作戦を展開するために本拠・北ノ庄に戻ってしまいました。

大河ドラマでの状況は、今ここ。

結局、勝家が豪雪に足止めされている間に「秀吉包囲網」は各個撃破の餌食にされ、勝家は雪解けを待つ暇もなく出陣を余儀なくされて、「賤ヶ岳の戦い」になってしまいます。

柴田勝家が敗北してしまうのは、彼が信長から北陸方面司令官に命じられた時に運命付けられていたと、言えるのかもしれませんね。

間の悪いことに、天正10年~11年の冬は、50年に1度の大雪が降るめぐり合わせでした。

遠慮なく降り積もる雪を、この時ばかりは勝家も恨めしく思ったことでしょうね・・・・。

一方で、秀吉にとっては、勝利を呼び込む雪の女神サマだったのかもしれませんね。


次回は、そんな「賤ヶ岳の戦い」の前哨戦かな?それとも、本戦まで行くかな?

「賤ヶ岳の戦い」は、ワタクシの“戦国時代ベスト5”に挙げる好きな戦い。

「賤ヶ岳は再現が最も困難な戦いの1つ」だというのがワタクシの持論なので、きちんと再現しろとは言いませんが、丁寧に描いてくれたらいいなーと、どうしても期待してしまいますね・・・・(まぁ、無理だろうけど)



以下、余談。



タイトルは、柴田勝家の辞世の句から。

北ノ庄城にて、一緒に自害することを決めたお市が、まず詠みます。

「さらぬだに 打ちぬる程も 夏の夜の 別れをさそふ ほととぎすかな」

《それでなくても夏の夜は短いというのに、ほととぎすが呼んでいるから、そろそろお別れしなくちゃね》


それに応えて勝家が詠みます。


「夏の夜の 夢路はかなき 跡の名を 雲居にあげよ 山ほととぎす」

《夏の夜のように、短い間のことだったけれど、ほととぎすよ、我らの名を生きた証として、雲の高みまで届けておくれ》


「夏の夜」という言葉は、一般に「短い時間」を表しているとされています。夏は夜が短いですからね。

でも、よくよく考えてみると、なんで「夏の夜」が出てくるのか謎。

2人が自害したのは、天正11年4月24日・・・・まだ春なんです。

短い時間を表すために、「夏の夜」なんて使うだろうか?


まぁ、使うんでしょうけど(笑)、そこであえて考え詰めてみると、2人が結婚したのは天正10年の6月から7月にかけて。つまり夏。

「夏の夜」って、これのことじゃなかろうか・・・・?

「結婚1周年さえ迎えられなかった、短い間だったな」

新しい結婚生活が、10ヶ月弱の短さで終わってしまった・・・・。

そんな想いが、2人の辞世の句には遺されているのではなかろうか。

そう考えてしまうんですが、どうでしょうかねー。


そして、冬の雪のハンデを挽回できなかった勝家が、辞世に夏を詠むのが何とも歴史の皮肉かなと、そんな想いに駆られてしまうのでした・・・・。

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