最近のトラックバック

無料ブログはココログ

« 規制より節制で | トップページ | お車のご案内 »

2012年2月26日 (日)

宋銭渡来

大河ドラマ「平清盛」。

まだ第1話と、土曜日の再放送を仕事の休憩中にチラチラっと見た程度なので、録画を見てからリアルタイムで見ようと思っていたんですが。

職場のKクンに「頼長が出ますよ~」と吹き込まれたので、ガマンできずに見てしまいました(笑)

(のちの)悪左府、登場!!

いやー、中ボスって感じで、中々いいかんじw

積んだ本のズレをそっと直すシーンに、思わずニヤリとしちゃいました
(頼長は何事もキチンとしていないと気が済まない人。それを他人にまで過激に強要するので、「悪左府」と怖れられたわけです)

このまま「保元の乱」まで、イヤミたっぷりに突っ走ってほしい(切望w)


で、登場人物を見渡してみれば、崇徳院はいるわ、佐藤義教はいるわ、藤原忠通はいるわ、堀河局はいるわで、百人一首オンパレード。

さすが、かるた競技を題材にした連ドラを手がけていた人が脚本やってるだけあります。

藤原定家や藤原家隆や寂蓮や西園寺公経や二条院讃岐は出るのかな?そのあたりも、楽しみになりそうですなw



今日はドラマのタイトル「宋銭と内大臣」の内大臣・頼長で盛り上がりたいところですが、それでは負けた気がするので、「宋銭」のほうを取り上げてみようと思います。

前にも書いているしね(笑)

■不敵不敵 ~激情と赤裸々の悪の華(関連)
http://baron-baron.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/post-4e9e.html


ワタクシ経済はからっきしなんですが、まぁいつものように適当にやります。

お金っていうのは不思議なもので、思いもしないルートで近代まで繋がってくるので、「貨幣の歴史」っていうのも意外と面白いものですよ。



平安時代あたり税収は、「租」「庸」「調」でした。
米、布、綿、塩、馬などの生産される物資や、都での労働力です。


これらは土地に依存した経済で、「大地主」が大勢の部下を統率して事業にあたっていました。

大地主と言うのは、元々は公家や寺社でしたが、管理は地元のもの(のちの武士)がやっていました。

やがて時代が経つと、「なんで何もしない他人に税を収めなきゃいかんの?」と、大地主たちの意識が変わります。

これが貴族社会の終焉・武士の勃興にもつながっていくのですが、源平合戦を経て鎌倉幕府が開かれると、政治の天才・源頼朝によって、一応の解決が見られます。

「土地は公家や寺社のものでもあり、また武士のものでもあると認める」

うーん、よく分からない(笑)

こんな状態なので、領家(大地主の公家や寺社)と地頭(大地主の武士)の間では揉め事が絶えません。

鎌倉幕府というのは、この揉め事を仲裁する機関でもありました。

そして、この時代は「土地が収入の基盤」であることに変わりはなかったりします。


これよりも前に、「土地に依存しない経済」を模索した人、それが平清盛です。

当時、北九州では宋との貿易が行われていましたが、彼はそれを自分の根拠地である「福原」まで引き込みます。

そして、貨幣経済を実現するために「宋銭」を利用しました。


ちなみに、「宋」というのは中国の王朝名ですが、当時は女真族(金)に攻められて華北を失い、南半分だけの「南宋」となっていました。

南宋になる前、まだ全土を統一している状態の宋を「北宋」と呼びます。

「宋銭」は、この「北宋」時代のものです。
南宋を相手に貿易していたのに、北宋の銭を輸入していたわけです。

何故、南宋の銭を輸入しなかったのか?

それはこれから調べようと思ってますが(笑)、南宋は銀に貨幣制度を移しつつあったみたいなので、そもそも輸出するほどには造られていなかったのかもしれません。

あるいは、あとで触れますが南宋は鉄を混ぜたりして劣悪な銭を造っていたので、清盛の方から「願い下げ」だったのかもしれません。


北宋は中国全土に貨幣を行き渡らせるため、銅銭を大量に鋳造していたようで、インフレになりかけていました。

そこで宋(北宋)の宰相・王安石は、造幣局をストップさせるのですが、やがて「宋銭の海外輸出」を思いつき、大量生産に切り替えます。

貨幣を海外に流出することで量を調整するとともに、西夏、高麗、安南、契丹、日本といった周辺諸国の基軸通貨を統一し、経済を活性化する狙いがあったと考えられています。

清盛が宋銭の貨幣制度を導入したのは、日本が王安石の戦略に巻かれている・・・・それを、嗅ぎ付けて利用した、ということかもしれません。


王安石は中小の商人を保護して、大商人に厳しい政策を掲げると、反対派の攻撃にさらされて失脚してしまいました。

以降、鉄を混ぜたり、鉄銭を広めたりして信用を失い、宋銭の価値は下がってしまったため、南宋は銀本位や会子・交子政策(いわゆる手形経済。ある意味紙幣)に切り替えていったみたいです。

ゆえに、南宋側から見た日宋貿易は、銀を手に入れるのが大きな目標だったようです。


貨幣発行権を握っていると、富を得ることも、価値を吊り上げることも思いのままです。

それをやって阿漕な稼ぎをしたのが平清盛で、それに気がついたのは摂政・九条兼実(藤原頼長の甥)でした。

そこで、「宋銭って公認じゃないから私鋳銭だよね」と難癖付けて、宋銭を停止させようとしましたが、人気には勝てずに机上の空論で終わります。

だったら、朝廷がいい銅貨を鋳造して普及させればいいわけですが、荘園制度のせいで朝廷に富が集まらず、それをやっているのが当の九条家だったので、どうしようもありません。

結局、この平家の潤沢な貿易収支は清盛の死後まで続き、そしてそれは意外なところで受け継がれて、やがて徳川幕府にまで奇妙な繋がりを見せていくのですが、長くなったので今日はここまで。

貨幣経済という面で見ると、源頼朝や足利尊氏って何やったっけ?と思ってしまうのですが、平清盛は疑う余地もなく関わっています。

ゆえに清盛は日本史上でも稀有な存在であり、富国強兵を目指して資本主義を受け入れた明治以降になってから、急速に英雄視された意味も、なんだか分かるような気がしますねー。

« 規制より節制で | トップページ | お車のご案内 »

I -3:大河ドラマ「平清盛」感想」カテゴリの記事

J-1:「平安時代をやろう!」」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1458188/44278596

この記事へのトラックバック一覧です: 宋銭渡来:

« 規制より節制で | トップページ | お車のご案内 »

カテゴリー

  • A-0:連絡帳
    Blog主、マーガリン男爵からの連絡事項などです。あんまりない予定。
  • A-1:日常
    いわゆる日記。ワタクシ日々の出来事の記録が結構苦手なので、更新は少な目かも。
  • A-2:旅と見学
    日記の非日常バージョン(?)。旅行記や旅の思い出、観に行ったライブ・博物館・美術館・資料館などの感想です。
  • B-1:時事ニュース
    政治・経済・文化・教養・社会のニュースに、ずばりと斬りかかります(斬れるかどうかは別のお話)
  • B-2:芸能ニュース
    芸能界・テレビ番組関連のニュースを、ずばりと斬りかかります(やっぱり斬れるかどうかは別のお話)
  • C:男爵語録
    いわゆる「戯言」をまとめた日記。まぁ、ここに限らず全部戯言なんですが。
  • D-1:日本史
    「歴史好き」なワタクシにとって、メインのネタ。本人は真面目にやってますが、マジで受け取らない程度の態度でお願いします・・・・。
  • D-2:中国史
    歴史ネタの中国史です。もしかしたら、朝鮮やアジアも入るかも?
  • D-3:世界史
    歴史ネタの世界史です。興味あるのはアメリカ史ですが、ヨーロッパや中東も機会があればやってみたいです。
  • F-1:雑学
    ワタクシの趣味である雑学ネタ。歴史以外の・・・・ということになりましょうかね。
  • F-2:県民性
    趣味の歴史と旅から飛び火した、「県民性」について語ります。なんとなく海外にまで派生してます。
  • G-1:テレビ
    テレビの感想です。ドラマも見ますが、カルチャー系とバラエティが多いかも・・・・?
  • G-3:映画
    映画の感想です。時代劇が多いのは、地じゃあないですよ(笑)
  • H-1:コラム・ランキング
    主にmixiやgooランキングから引っ張ってきたネタ日記です。
  • H-2:テーマ日記
    ブログネタから題材を引っ張ってきたものです。
  • H-3:mixiチェックまとめ
    mixiの「チェック機能」でマークした記事と、それについてのコメントをまとめたものです。
  • I -1:大河ドラマ
    大河ドラマ関連の予想・期待、情報整理などです。
  • I -2:大河「江」感想
    歴史好きが描く、2011年の大河ドラマ「江~姫たちの戦国」の感想です。辛口批評を前提にして書いているわけではありません。念のため(笑)
  • I -3:大河ドラマ「平清盛」感想
    歴史好きが描く、2012年の大河ドラマ「平清盛」の感想です。平安時代は得意ではないので、どこまで斬り込めるか注目です(?)
  • J-1:「平安時代をやろう!」
    ワタクシの苦手な平安時代を、一念発起して綴ってみます。何故か「百人一首」ネタになりつつあります・・・・。
  • J-2:「姫たちの戦国外伝」
    大河ドラマ「江」に触発されて(または立腹して)綴った、戦国時代に関する雑談語りです。
  • K:備忘記録
    いわゆるメモ帳。あるいは温めるネタ。発酵するか腐敗するかは、自分次第・・・・。
  • L-1:バトン
    もらったり拾ったりしたバトンです。一種の自己紹介ですな。トラックバックも抜いていくのもウェルカム。
  • L-2:占い・性格診断
    Web上の占い・性格診断の結果です。一種の自己紹介であるとして公開します。
  • L-3:心理テスト
    それいけココロジー(何)
  • M-3:アニソン
    ワタクシの魂魄(たましい)、アニソンの歌詞です。