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J-2:「姫たちの戦国外伝」

大河ドラマ「江」に触発されて(または立腹して)綴った、戦国時代に関する雑談語りです。

2011年8月15日 (月)

2番目は誰だ

大河ドラマ・江、第31話「秀吉死す」見ました。

昨日放送でしたが、イモトアヤコのモンブラン登頂を見たかったので、今日に繰り上げて視聴しました。

いつも、あんまり面白さを感じないので、録画してまで見るものかな・・・・と、毎度ながら思いますがね・・・・。


で、内容。


天下人・豊臣秀吉死す!


ということは、「慶長の役」と「醍醐の花見」が描かれ、さらに今際のきわに徳川家康・前田利家ら五大老や、石田三成ら五奉行に秀頼の行く末を託すシーンがあるはず。

ならば、出演の優先順位が高いキャストは、

前田利家・まつ(利家室)・島津義久・島津義弘・小西行長・立花宗茂・・・・


ところが、OPを見ても、彼らの名前はありません。

つまり、大幅カットけってーい(溜息)

「醍醐の花見」なんて、あれだけ利休を頻出させ、京極龍子にスポットを当てていただけに、ある意味楽しみにしていたのに。

期待していたのか?と問われれば、してなかったと答えるけど(笑)、それを上回る削られっぷりでございました。


で、彼らの名が無い代わりに、今までに退場なさった方々が「(回想)」で大盤振る舞い。

浅井長政・お市・柴田勝家・佐治一成・千利休・豊臣秀勝・豊臣秀次。


これは・・・・まさか!!

「実の父を攻め、母を自害させ、義父を追い詰め、最初の夫と引き離し、人生の師を切腹させ、二番目の夫を戦死させ、義理の兄まで死なせた、そんなわしを許してくれ」

そのように、最期の最期に秀吉が江へ贖罪を乞うシーンがあるんだろうか・・・・
どこまで御都合主義なんだ・・・・(がっくり)

と、勝手に予想して項垂れていたんですが。

実際には、

「実の父を攻め、母を自害させ、義父を追い詰め、最初の夫と引き離し、人生の師を切腹させ、二番目の夫を戦死させ、義理の兄まで死なせた、そんな貴方に夢なんて見させません」

みたいな、『もう最期が近い秀吉に対し、江が自分の不満を詰るための回想』でした(爆)

どこまで非情で非常識でエゴ満載な姫サマなんだ・・・・。

ここまで来て、ぜんぜん成長してないサマを、堂々と見せ付るとは。

製作サイドの神経の図太さとセンスのなさに、吃驚仰天です。

RPGに例えれば、中盤まで来て「まだレベル1」みたいな話ですよ。

アンタ、26歳だよねー?大名の妻なんだよねー?母親なんだよねー?

いっそ、そこらのザコに殺されちゃえばいいと思う(投げた)


母親といえば、江と秀忠の間に、長女・千姫が誕生しましたが・・・・彼女について触れるのは、後々まで取っておくことにします。

(秀頼との婚姻が決まって「また勝手に!キー!」って言ってたのは、ウザいだけでどうでもいいね)


秀吉の最期は、割りと良かったです。

糟糠の妻・ねね(北政所)と、水入らずの最期の別れ。

途中で江を思い出すとか、余計で御都合主義な演出もなく、すんなり見れました。

最期に江が「サルが死んだ」と涙を流すシーンで、シラケちゃったけどね。

(涙を流さなかったら、それはそれで「ひでぇヤツだ」という評価になったわけですが)
(まぁ、機会はいっぱいあったのにロクに関係修復しないまま、この場面を迎えさせてしまったという、シナリオの失敗ですな)
(つーか、いくら叔母とはいえ、秀頼を呼び捨てにするのってどうなんだ・・・・相変わらず、不快感を振りまくのを忘れない姫サマだーね)



ところで、「醍醐の花見」について。

千利休の関連は前に書いたので、今回は京極龍子との絡みで書きます。

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2011年7月28日 (木)

初対面は伏見にて

大河ドラマ・江、第28話「秀忠に嫁げ」見てます。


息子・拾への溺愛が、度を越えていく太閤秀吉。

関白を譲られた秀次の身に、危険が増していきます。

やがて、謀反の疑いをかけられて、高野山に幽閉。

江と会話を交わした後、自害して果てるのでした。


・・・・というストーリー。

要するに「関白秀次事件」の全容ですね。


タイトルどおり「徳川秀忠に嫁げ」と秀吉から告げられるシーンが終わり間際にありましたが、どう見てもオマケだったので割愛。

秀忠の入浴シーンがあったのには、乾いた失笑が漏れてしまいました(^^;

女性に向けたサービスシーンでしょうかね。あからさまだなぁ・・・・。


内容は、正直言って感想を書くのがツライ。

役者サン(秀次@北村有起哉)の演技でなんとか見れましたが、展開も台詞もダメダメ。


「叔父上は私を退けたくて仕方がないのです」と、秀吉の心理をちゃんと察知している秀次。

なのに、関白の職を潔く去ろうとはしない。
いや、去られても困るけど(笑)、去ろうとしない理由が分からない。

史実でも、たぶん分からないよ。秀吉の魔の手がせまってるのに、なんで安全策を講じなかったのか・・・・なんて。

でも、ドラマなんだから考えて作ろうよ。そのへんの事情をさぁ。
余計なところばっかり作ってないで・・・・。


秀次が謀反の疑いをかけられ、怒り狂った江が三成を詰問。

江「これはどういうことじゃ!答えよ!」

治部「お答えするには及びません」

江「答えよ」

治部「関白殿下には、ご謀反の疑いがかかっております」

答えるんかい!


江「秀次様に会わせよ!」

治部「殿下のお許しナシに、そのようなことかないません」

江「(短刀を喉元に突きつけて)死ぬことなど怖くない。秀次様に会わせよ」

高野山にご案内

会わせるんかい!(つーか、女人禁制でしょ高野山て・・・・)


あの『天地人』で、ようやく“不器用ながらも義に篤い忠臣”なイメージが作られつつあった石田三成。

今年の大河で、ヘタレに逆戻りです・・・・。


でも、秀次との最期の会話から聚楽第の取り壊しまでは、中々良かったです。

内容は羽毛のように軽かったけど、役者サン(上野サン&北村サン&岸谷サン)の演技力の賜物ですね。
脚本が良かったら、どんなにいいドラマになっただろう・・・・。


ところで、織田信長~豊臣秀吉の時代を、歴史の授業では「安土桃山時代」と習ったと思います。

「安土」は、信長が築いて本拠地とした「安土城」のこと。

では、「桃山」って何のことか分かりますか?

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2011年7月 6日 (水)

光相庵の光

大河ドラマ・江、第25話「愛の嵐」見ました。


利休切腹の命令を取り下げさせるには、利休自身が赴いて関白に謝罪するしかない!

それを妙案だと思った江は、秀勝とともに変装して、上杉軍が守る利休の屋敷に潜入。

説得を試みますが、利休が「死にたいんだ」と意地を張ったために失敗。

江に「天下泰平、みんな笑うて暮らせる世の中にしてくれ」

と、余計なことを言っ・・・・もとい、己の夢を遺言して切腹。

そして、鶴松死去。

愛息の死に嘆き狂う秀吉は、秀次に関白の座を譲ったり、朝鮮出兵を命令したり、江を秀勝に嫁に出したりしました。


・・・・というストーリー。


愛の嵐・・・・・・?

「いや、なんかツッコミ入れたら負けな気がする(-"-;」

と思っていたんですが、違いました。

見たら負け。そんな回でした。前回で見るのやめとけば良かったのにと(ひでぇ話だ)

前回は結構いい出来だったのに、今回はいつもの調子に「転落」してましたので・・・・。


最初の「炭屋に変装して利休に会いに行く。そして説得失敗」は、悪くない創作だったとワタクシは思います。

意外と、薄汚い格好が似合う上野樹里サン(笑)

利休宅を守る上杉兵の1人が「愛の兜」をかぶっていたのは、「ここ笑う所よ」という脚本家の声が聞こえてきそう。
(思わず「うるせーよ」ってつぶやいた)

「みんなで笑って暮らせる世の中が望み」っていう利休の最期の台詞は、茶人の言葉としては悪くないかな。

これを江が後々「悪用」しそうで、そこに苦虫の味がするんだけども(噛み潰しすぎて、もう味を覚えちゃった・・・・みたいなw)

秀吉が「おぬし、会いに行ったのであろう?なんで止めてくれなかったんじゃ!」って泣きじゃくるのも、愛憎入り混じった利休への想いが表されていて、結構いいシーン。

そこに、江が「申し訳ございません」とか言って、一緒に泣いてくれる展開にできたら良かったんですが。
本編では「泣きじゃくる秀吉を冷たく見下す」という、人間としてサイテーの対応をしてくれたので、すべて台無し。

まぁ、「秀吉と一緒に泣く」なんて、ここまでの内容的に無理でしたね。
これはひとえにシナリオ構成の甘さが敗因ですねー。


あとは、「安いわー」って感想しか出ませんでした。

色々と書かれた習字を、何かに取り憑かれたような目で眺めて思案するのって、要するに今後起きるあらゆる政局や出来事への思案やら背景やら葛藤やらを、ショートカットしただけでしょう。

簡単ね。安いわね。分かりやすいわね。

そんなものは割愛して、利休の死後に開かれた「醍醐の花見」の、とあるエピソードでも紹介します。

カテゴリー「姫たちの戦国外伝」です。

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2011年6月26日 (日)

反体制派と10ヶ月

大河ドラマ・江、第24話「利休切腹」見ました。


「小田原攻め」の論功行賞を終えて京に帰ると、鶴松が重い病に罹りました。

心配する秀吉。その元に、弟・秀長危篤の知らせが・・・・。

大急ぎで駆けつけ、秀長から最後の言葉を受け止めます。

「甘い言葉を言う者よりも、苦言を言ってくれる者を信じよ」
「鶴松の病は、わしが持っていくから安心してくれ」

最期の約束を守ったのか、秀長の死後、鶴松の病は無事に平癒。

さて、苦言を言ってくれる者(利休)の処分や如何に・・・・?


というようなストーリー。


今回は、主人公(江)の出番が目立たなかったせいか、かなり安心して見れました。

所々に残念な部分も散見されましたが(朝鮮使節団の公式の場に江が参席してるとか、江&秀勝&秀忠のボンクラどもの会話とか)、今年の大河で1~2を争ういい出来だったのではなかろうか。


三河を離れ、江戸に国替えとなった家康の気持ち。

秀吉の弟・大納言秀長の死。

秀吉と利休の決裂。その象徴の、黒樂茶碗。


「やるやる詐欺」だったのは、ご愛嬌・・・・かな?(^^;

秀吉と利休の対決→決裂は、内容も迫力も良かったと思います。
これやるんだったら、三成のキャラが急変したの、限りなく余計だったね!


ワタクシ的見所は、なんといっても「園城寺」!

利休の茶室にあった、秀吉が「なんじゃこれは」と言って投げ捨てた竹一重切花入です。

ヒビをわざと正面に持ってくるという大胆さは、利休の美学の集大成(←勝手に評価)
このヒビから「園城寺の割れ鐘(弁慶が谷に突き落として割ったという伝説付き)」を連想して銘付けられた一輪挿し。

過去には「初花」らしき茶器(肩衝)も登場してますし、江の脚本家は歴史に興味はなくても、こっち方面に関心があるんだろうか。
それなら、来週は「泪」も出るかな??と、淡い期待w

・・・・そして、こんな些細な部分で高揚するあたりに、歴史好きって「なんていじらしいんだろう」と、我ながら思ったりしてね・・・・。


ドラマ中では、豊臣秀長の死も描かれておりました。

黒田官兵衛の「貴方がいなくなったら、豊臣はどうなる?」って言ってるシーンを見て「ああ、豊臣政権に斜陽の時が来たか・・・・」って覚悟を感じるのも、きっと歴史好きの補正がかかっているから。

だって、秀長の功績って、ほとんど描かれなかったから・・・・。

山名氏を滅ぼして但馬を平定したこと。「賤ヶ岳の戦い」で「賤ヶ岳-大岩山-岩崎山」の防衛ラインが崩れても、秀吉が「大返し」で戻ってくるまで戦線を守りきったこと。「四国討伐」の総大将を務めたこと。大和という難治の地を見事に統治したこと・・・・などなど。

弟であり、右腕どころか半身にも等しい男の死は、秀吉をひどく落胆させたと言われています。

この後、ブレーキ役を失った秀吉は、危ない道を突き進んでいった・・・・というのは、結果論なのかどうか。

ともあれ、秀長は秀吉の信頼と期待を全身全霊でやり遂げた人であり、彼を失ったのは、キルヒアイスを失ったラインハルトを髣髴とさせます。
(ラインハルトは、優秀な幕僚がいたおかげで彼の死後も何とかなりましたけど)


まぁ、ドラマ的には、秀長よりも利休の死の方が大きそうですね。

暴走するほど情緒不安定なのは秀吉よりもむしろ江たちで、それに歯止めをかけていたのが利休でしたから(苦笑)



天正19年(1591年)は、秀吉にとって、まさに災難な年。

1月22日、弟である大納言・豊臣秀長が病死。
2月28日、茶頭・千利休が切腹。
8月5日、嫡男・鶴松が死去。


天正19年閏1月、鶴松が病気になってしまいました。
見るも無残に取り乱す秀吉。病気平癒の祈祷をするために、大徳寺に参詣します。

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2011年6月21日 (火)

ささたへて・・・・黒百合事件

大河ドラマ・江、第22話「父母の肖像」見てます。

先週すでに見てますが、長野の旅行記とか書いてたら、感想書く時間がなくなっちゃったので、今頃にアップです(^^;


豊臣家に「棄(鶴松)」誕生。赤ちゃんバンザイ!

男の子を産む代わりに、淀殿が秀吉に1つ要求。

それは、「浅井長政の17回忌、お市の7回忌の追善供養を許可してほしい」・・・・という願いでした。

秀吉は快諾。タイトルの「浅井夫婦の肖像画」が登場します。


・・・・というストーリー。


今回は、割りと見てられるシーンが多かったです。

ああ、やっと茶々のラブストーリーが終わったんだなと、実感できました(笑)


・家康と利休の茶席会合。

1人の時は広い茶室を、3人以上の時は狭い茶室を使う・・・・とか語るシーン。

分かります。狭いトイレや風呂にいると、いい考えが浮かぶもんね(違)

あとは「近いがゆえに遠い」と秀吉との間に溝ができてきたことを匂わせたり。


・北条家が元気いっぱい・・・・もとい、血気さかん。

清水サン(北条氏政)のオーラが、大変いいかんじです。

「がっつり悪オヤジの迫力」、これぞ戦国時代。大河ドラマ。

これを見たいんだよ。「チョイ悪オヤジたちのプライベート」「ボンクラどもの異性交遊」なんてどーでもいいんだよ。


うむ。こうやって整理すると、感心できたのは江が登場しないシーンばかりだってのが分かりますな。

『篤姫』のように、「主役が出てくるパートだけ要らない」の状態になってます(^^;


「秀吉が、かつての敵だった浅井長政の法要を許可した」ことを美談にする・・・・ってのは、どうなんでしょうかねぇ。

ワタクシは、戦国時代は「かつては敵であっても、死んでしまった者は丁重に弔う」って雰囲気が濃厚だったんじゃないかなと思います。

「敵は子々孫々まで許さない」ってのは、儒教の考え方に近いです。

儒教の考え方が強まったのは、徳川家の時代になってから。

戦国時代の武家を動かしていた精神は、聖徳太子の「和」の精神とか、華厳宗とか、禅とか、鎌倉新仏教とかが交じり合った、もっとドライな思想だったのではなかろうか。

大体、秀吉は底辺の身分出身で、譜代の家臣というのがおりませんでした。

彼が初めて領地をもらったのは、近江長浜の地。
ゆえに、浅井家の旧臣を取り込まないと、何もできなかったわけです。

だから、秀吉の気持ち的には、浅井はハナから「ぜったい許せない相手」ではなく、茶々が感謝するような願い事ではなかったのでは?と、思ってしまいます。

まぁ、「これで世間的に好感度アップだ」と、計算してやった・・・・という解釈もできますけどね(茶々がやることで、わざとらしさもありませんし)

(つーか、義理の父・柴田勝家は、やっぱり忘れられてるのね・・・・)



ところで、聚楽第の門に「鶴松は秀吉の子じゃないだろ」とも読める落書きされたことに、秀吉が大激怒した・・・・という話がありました。

犯人捜索を厳命し、見つからないと門番らの17人を処刑し、村2つを焼き討ちにしてしまう・・・・という、秀吉のダークサイドを垣間見れる出来事です。

ドラマでは出てませんでしたが、その落書きってのは次の2首。


『大仏の くどくもあれや 鑓かたな くぎかすがいは こだからめぐむ』

意訳:淀殿が懐妊なさったのは、「方広寺の大仏の材料にする」の名目で刀狩を行った、その功徳でしょうねー(=秀吉の子種が懐妊させたんじゃないっしょ)


『ささたへて 茶々生いしげる 内野原 今日はけいせい 香きそいける』

意訳:佐々成政が肥後一揆の鎮圧に失敗し、秀吉に切腹を命じられてしまいましたが、それは内野原にある聚楽第で“絶世の美女”茶々が権勢を増して、色香を競っておられたからではありませんかね?


「鶴松が秀吉の子じゃない」ってのは、最初の句。

で、「ささたへて~」の句は、その裏にはある歴史イベントがあったと言われています。

今宵は、このあたりを取り上げてみようかと。

カテゴリー「姫たちの戦国外伝」です。

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2011年5月23日 (月)

たかつぐんちの話

職場に「今年、飛騨高山へ家族旅行に行くんだよ~」という人がおりまして。

そこから、今週の「大河ドラマ・江」で、初が嫁いだ「京極家」の話になりました(←歴史が好きな人なので)


これが意外に好評だったので、今宵の日記に取り上げて見ようという魂胆。

まぁ、いつものように自己満足ですw


今日は、今年の大河の主役である三姉妹の1人・初を娶った「京極高次」までを紹介して、カテゴリー「姫たちの戦国外伝」とします。



まずは、さらっと「室町幕府」のおさらいから。


「戦国時代」っていうのは、区分的には「室町時代」の終わりごろの呼び方。

「室町時代」とは、足利尊氏が開いた「室町幕府」の時代です。

「室町幕府」のナンバー1は、もちろん「将軍」。


幕府のナンバー2は「管領(かんれい)」と呼ばれます。

「管領」は将軍の補佐官。権力を掌握するポジションです。

将軍を「総理大臣」とするなら、「内閣官房長官」って感じでしょうか。

以前、朝廷のナンバー2「関白」は、「五摂家」と呼ばれる「藤原氏の中でも特別な一族」しか就任できないと、紹介しました。

これと同じように、幕府のナンバー2「管領」も、「三管領家」と呼ばれる「足利氏の中でも特別な一族」しか就任できません。

「三管領家」とは、

「細川(ほそかわ)」「斯波(しば)」「畠山(はたけやま)」

この3つの家。

「管領」については、今回は関係ないのでここまで。あくまでおさらいってことで。


そして、幕府のナンバー3は「所司(しょし)」。

軍事・警察を担う「侍所(さむらいどころ)」のトップ(=頭人)
さらに、首都・京の治安維持も職務です。

かつての「自治相」が「東京都知事」も兼任しているって感じでしょうか。

この重役である「所司」に就任できる家も、決まっていました。

「山名(やまな)」「赤松(あかまつ)」「京極(きょうごく)」「一色(いっしき)」

この4つの家が交代で就任しました。通称「四職(ししき)」。


「細川」「斯波」「畠山」「山名」「赤松」「京極」「一色」

この七つの家は「三管四職(さんかんししき)」と呼ばれ、守護大名の中でも特別な存在。

「京極」は、その特別な存在「四職」のひとつだったわけです。


「京極」は地名を取って名乗ったもの。
本姓は「源」、元々は「佐々木」を名乗っていました。

佐々木家は、元は宇多源氏(宇多天皇の孫が臣籍降下したもの。ちなみに宇多天皇は「菅原道真」をエコヒイキした、あの天皇です)

平安時代から続く武家の名門で、源頼朝の挙兵に従って活躍し、その功績から「近江」の守護職を与えられました。

鎌倉時代、佐々木家の4兄弟が領地を分割相続したのですが、南近江の守護「六角(ろっかく)」と、北近江の守護「京極」にまとまっていき、「近江」を南北に二分して統治することになりました。

ちなみに、本家筋は「六角(ろっかく)」の方です。
今年の大河には(何故か)登場しませんでしたが、戦国時代にも続いておりました(信長にボコられました)


京極家で有名な人といえば、なんといっても「京極高氏(佐々木道誉)」。

鎌倉時代末期(14世紀)、ちょうど「太平記」の時代に活躍した武将です。

元々は鎌倉幕府の「御相伴衆(ごそうばんしゅう。秘書官みたいなの)」

しかし、執権・北条高時が闘犬や田楽に夢中になって政務を疎かにする姿を見て、「だめだこりゃ」と早々に見切りをつけていたみたい。

足利尊氏が鎌倉幕府を裏切ると、同調して京都へ侵攻。
一緒に「六波羅探題(京都を監視する幕府の出先機関)」を滅ぼしています。

倒幕後、後醍醐天皇と足利尊氏の関係にヒビが入ると、引き続き尊氏を支持。

この後、北条の残党に鎌倉が占領されても、朝敵になって追討されても、大敗して九州に逃亡しても、ずっと尊氏を支持。

こうした功績を評価されて、「北近江」に加えて「出雲」「隠岐」「飛騨」「摂津」「上総」の守護に任命されました。

本家筋の「六角」ではなく、分家筋の「京極」が「三管四職」に選ばれたのは、「道誉はずっと俺のために働いてくれたから」という尊氏の感謝があったんでしょうかねー。


で、「室町幕府」は「鎌倉幕府」「江戸幕府」と違って、かなーりグダグダな状態で創業されました。

それは道誉の死後も収まっておらず、その混乱の中で「摂津」「上総」は、息子の代で失ってしまったみたい。

それでも京極家は、

・北近江(滋賀県北部)
・飛騨(岐阜県北部)
・出雲・隠岐(島根県)

この4ヶ国に領地を持っていた“名門中の名門”として戦国時代を迎えます。

(13~14世紀、大体の勢力図)

Photo

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2011年5月 6日 (金)

羽柴と豊臣の間には

大河ドラマ江・第16話「関白秀吉」、見てます。


秀吉が将軍を目指します!

無理でした!

じゃあ、関白になります!

なれました!

というストーリー。


最後のシーンは「関白になったことを、真っ先に(家族より先に)茶々に報告する」なので、結局は「1時間かけて茶々の気を引いた」というシナリオ展開でした。

「なんだそりゃ・・・・」と思っていたところに、茶々がまんざらでもない表情を見始めたので「・・・・はぁ?」と目が点になりましたよ。


念のために言っておきますが、役者サンの演技は素晴らしいです。

茶々を振り向かせるために頑張る秀吉。
ほのかに心境が「何か」に変わった茶々。
その表情、その仕草に、よくよく表れておりました。

ただ、そんな流れを「恥ずかしげもなく」出してくる脚本に、唖然としただけ。

「秀吉が関白になる」って、あんまり時間かけて描かれることがないから、ちゃんと取り上げて丁寧にやれば、それだけで面白いと思うし、NHKドラマっぽいとも思うんです。

でも、これを「できそこないの恋愛話に仕立てあげてニタリ顔」って、なんか歴史に怨みでもあるんでしょうかね、この脚本の人・・・・。

ワタクシ「恋愛話」や「少女漫画的展開」は、好きではないけど、だからって「悪即斬」とは思ってません。

「CSI:」の恋愛描写とか楽しく見ているし、好きな少女漫画もいくつかあります。

でも、ダメなものはダメなんです。

「見た目と血筋は立派だけど、それ以外は全く貴種っぽくない、どうしょうもない価値観の女」を、「富と権力の力業で落とす」なんて、ラブストーリーとしてもお粗末。かえって不愉快。見たいと思わんわ・・・・。


それはそうと、足利義昭@和泉家元が久々に登場!

「農民の分際で関白に!そんなことあっちゃダメ!」と、打ちひしがれながら地面を転がっておりました。

もう、最高です(笑)

大河ドラマ「篤姫」に「尚五郎パート」があったように、是非とも「義昭パート」を設けましょう。そうしましょう。

見所らしきところは、ここくらいかなぁ。記憶に残らないドラマだこと・・・・。



今日は、久々にカテゴリー「姫たちの戦国外伝」をやります。

題材は「ちゃんと取り上げて丁寧にやれば、それだけで面白い」と思って疑わない「秀吉が関白になるまで」というあたりにします。

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2011年4月 3日 (日)

信孝の無念と秀吉マジック

大河ドラマ江・11話「猿の人質」を、再放送の録画で見ました(ややこしいな)


北ノ庄落城、勝家とお市の自害後、秀吉の元に引き取られた三姉妹の日常。

秀吉が茶々を狙い始めたために、江の警戒が強まっていくのでした・・・・という話。


ほぼ、三姉妹の日記みたいな回でした。

歴史的な進展は「織田信孝が切腹させられた」ことと「大坂城の建設が始まった」ことくらい。
あと、信雄が家康にせっついて、「小牧・長久手の戦い」へのフラグをせっせと立て始めていました。


人物では、京極龍子(松の丸殿)が登場。

浅井長政の姉の子。つまり江のイトコ。
茶々と同じく秀吉の側室になる人で、お初の義理の姉になる人。

母を亡くして最初に会うのが、ねね(秀吉の正妻)と、この「龍子」というのは、いい演出w
今後、どういう役割を立ち回るのか注目です。


今回のことで気になったのは、秀吉に対する態度(特に江の)

具体的には、やたら秀吉を「サル!」呼ばわりしていた=面と向かって侮辱していたこと。

そんなことしたら、命があやういのに・・・・立場分かってんのかな?
演出だとしても、主役がサブタイトルの「猿の人質」を理解しているのかどうかアヤシイって、どうなんだろうか?(-"-;

もし「秀吉が“織田家の人”に手をかけるはずがないという認識で」やっていたとしたら、相当の甘チャン。

というのも、秀吉はこの時すでに“織田家の人”を手にかけていたからです。

それは、今回切腹して果てた織田信孝の、母と娘。

秀吉が人質として確保していたのですが、信孝が「賤ヶ岳の戦い」に呼応して岐阜城で兵を挙げた時、安土で磔にしてしまったのでした。

これには、信孝も相当ビックリしたと思います・・・・つい先日まで主君だった信長の妻と孫娘を手にかけたのだから(!)

同時に、江たちもショックを受けたはず。ショックを受けなかったとしても(どういう理由か見当つかんけど)、基本的なこととして知っていたと思うし、少なくとも世話役の女中は気を使ったはずです。

秀吉を憎んだとしても、あんな面前で罵倒するのは(土まで投げつけるなんて)リアリティに欠けると言わざるを得ないかと。
兵士たちに与えられて、子供には見せられないような仕打ちを受けた上に処刑でも、おかしくないですよ・・・・。

この点、茶々だけが「羽柴殿」と呼んでいたのが、せめてもの救いでした。

これが“せめてもの救い”になるほど、今年の大河は歴史モノとして質が低い、って意味ですが・・・・。

(「コメディ先行」もいいけど、「歴史背景に気を配ること」を作者には求めたい。もっとしっかりして欲しいわ)



ところで、信長の側室と信孝と娘をあっさり処刑し、信孝を切腹に追い込んだように、「清洲会議」から天下を取るまでの間、秀吉って、主家に対してかなり“えげつない”ことをやってます。

でも、秀吉に「悪人」のイメージって、ほとんどありません。

あったとしても、それは「文禄・慶長の役(朝鮮出征)」や「関白秀次事件」についてであり、この時期についてはクリーンに思われる節があります。

秀吉の死後、豊臣秀頼と淀殿を執拗に追い詰め、大坂で葬り去り、天下を取った徳川家康が「狸じじい」と呼ばれているのとは対照的。

「家康は、秀頼やその子(国松)を殺した」のに対して「秀吉は、三法師(織田秀信)を殺さなかった」

ここが決定的なのかもしれませんが、丁寧に見ると秀吉の「駆け引き上手」が活きている、そんな妙があったりするのです。

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2011年3月21日 (月)

天才と変態

大河ドラマ・江の第10話「わかれ」見ました。


羽柴秀吉vs柴田勝家の「賤ヶ岳の戦い」開始・終わり。

三姉妹と母の別れ、勝家とお市が自害。

というストーリー。

期待してませんでしたが、「賤ヶ岳の戦い」は、さらっと流されちゃいました。

いやー、ここまでさらっとだと、いっそ清々し・・・・くねぇよ(苦笑)


江たちと母との別れのシーンは、ワタクシのように情緒のない人でなければ、もしかしたら感動的だったのでは・・・・と思います。

江と初はともかく、茶々(宮沢りえ)の熱演が光っておりましたからね。

でも、ワタクシにはツッコミ所がまぶし過ぎてダメでした。「せっかくの感動シーンなのに!」と(-"-;


最後、北ノ庄城の天守が燃え上がるのを見て、三姉妹ともに「母上!」「母上!」の連呼。

誰も「父上!」とは言わない。すっかり勝家の存在が飛んじゃった・・・・。

2話まるまる使って「親子の縁」を描いたのに、もう忘れちゃった・・・・。

やっぱり「義理の親子」は「血の繋がった親子」には、「父娘」は「母娘」には、勝てないんだね(ふふ・・・・)


で、最大級のツッコミは、“またしても”お市・・・・。

最期の最期に勝家を前にしながら、前夫(浅井長政)の顔を思い浮かべるって、どうなの。

「好きな男の腕の中でも 違う男の夢を見る Uh~ Ah~」

ジュディ・オングの歌が聞こえてくるようでしたYO!

せっかく柴田勝家にいいかんじにスポットライト当ててくれたのに、有終の美は飾らせてくれないのね・・・・。

この、はくじょうもの!


良かったところ・・・・何かあったかなぁ?(笑)

あ、石田三成が登場しておりましたね。

この場面で「浅井長政の旧臣の息子」と名乗って出てくるのは、今後の伏線なんでしょうか。

「そなたは浅井の血を忘れるな」と母に遺言された茶々と、どこかで絡むシーンがあるのかなと、期待が膨らみます。


「賤ヶ岳の戦い」は、まぁこんなもんだよね・・・・と、なんだか諦めの境地です(苦笑)

前田利家、ワタクシの記憶の限りでは登場しませんでした。
うーん、本当にどうするつもりなんだろう?


さらっと流されたから、自分もさらっと忘れようかと思ってしまうところですが、真面目にツッコミ入れるなら、遠くの家康が“戦況が動いた後の布陣図”を見て「猿どのの勝利だな」と一人ごちるシーン。

ここはダメです。もはや「ない」を通り越して「いけません」だと感じました。

我々後世の人間は“歴史の結果を知っている”けれども、当時の人は知りません。これは当たり前の話。

家康は野戦の天才。有能な武将ですから、戦いの結末について、布陣図を見ただけで予想的中させたくなる作者の気持ちも分かります。

でも、予想的中させるなら、それ相応の理由や、論理的な思考を用意しなければならないんです。

そこを省いてしまうと、予想が的中しても、「天才」ではなく「変態」に見えてしまうのですから・・・・。

今日は、そのあたりをツッコミするためにも、ワタクシの好きな「賤ヶ岳の戦い」を、軽く解説してみようと思います。

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2011年3月 6日 (日)

要塞合戦

大河ドラマ江・第9話「義父のなみだ」を見ました。


話の内容は、省略(笑)

今回は歴史的にも随分動きましたが、「賤ヶ岳の戦い」直前で終わっています。


負けたと決まったわけでもないのに、悲愴感いっぱいの雰囲気。

「生きて還ってきて!」の声に押されて、柴田勝家の出陣シーンで終わりました。

うん、生きて帰ってくるよ・・・・。

合戦前の雰囲気を、ここまで丁寧に描いたドラマも珍しい。さすが、三姉妹が主役なだけありますネ。


ツッコミ所として気になったのは、お市が「勝家が目指す所が賤ヶ岳」と言っていたところ。

いやいや・・・・勝家はハナから「賤ヶ岳」なんて目指したりしないからね・・・・。

勝家が目指していたのは「長浜城」か、それが無理なら近江平野の入り口の「木之本」。

最終的に本営を作ったのは「内中尾山」なので、もしかしたら第一目標はここだったのかもしれません。

賤ヶ岳は、目指さないどころか通過地点にもならないし(無意味な寄り道になっちゃう)、勝家自身は踏み込んでもいません。

ただ、「賤ヶ岳七本槍」が活躍したのを、後に秀吉が意図的に吹聴してまわったから「賤ヶ岳の戦い」って呼ばれているだけなんですよ(たぶん)

「賤ヶ岳の戦い」って名前だけ参考にして脚本書いちゃダメですよ、田渕サン・・・・。


ドラマについて他には感想がなかったので、以下は(今回で決着がつくと思っていた・笑)「賤ヶ岳の戦い」前後について駄弁ります。

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